« 無条件で楽しかったよ! | トップページ | 私の中では彼方はいつも温かい »

2010年6月 4日 (金)

仮想空間の中で

時が過ぎ、仮想空間の中で生きている自分から、

        現実の中で生きる自分に戻りつつある。

   

2年半前の夫の突然の死。<夫の死が現実になってしまいそうだ>そう思った瞬間から、

<夫がこの世から居なくなる!・・・そんな恐ろしい事、起こるはずがない!> と 

自分の中で一生懸命に否定するが、非情にもその時はやって来た。

 心の整理なんて到底出来るはずがない。

<嘘だ!・夢だ!> ・・・恐れと不安で何が何やらさっぱり理解できないまま、

次から次へとやってくる、現実の事の進行に任せて、私はただ動いていた。

心と体が一つにはならず、その時から私の身の回りの

     すべてが、私の中では仮想空間の中での出来事となってしまった様だ。

  

フワフワとその中で、生かされている私は、地に足がついておらず、

実際は流れてゆく現実に居ながら、感覚的には現実から一人阻害されているような感じ。

こんな仮想空間(この目に見えない壁の中)の生活をしている居る私には、

五感も上手く働かない。

  ・・・ただ、喉が渇き、色々な想いをぶつける所もなく、

               身の置き所のない自分がそこに居た。

それでも、   

「夫はいつも私の傍に居て、私を守ってくれている」 とか、

「夫は別の世界で今は充実した日々を送っている」 とか・・・、

仮想空間の中で夫を想うことで どうにか心の平静を保っている。

  

時が経ち、49日、初彼岸、100か日、初盆、一周忌、三回忌と過ぎた。

持って行き場の無い色々な感情と闘いながら、自分なりに「夫の死」を考え、

「夫の死」を理解しようとした。

   

すべてを納得出来た訳ではないが、私は私で生きなくてはならない。

死がやってくるまでは、<夫が死んでしまったから!> と 言って、私の人生から

逃げ出す事は出来ないのだ。

夫から(仏様から、神様からか)与えられた課題もやり遂げなくてはいけない。

    ・・・それなりに自分では頑張っているつもり。

   

そんな毎日の積み重ねの中で、時間の経過と共に、

仮想空間の隙間から、現実の風の流れを感じる事が出来きてくる。

季節の移ろいを感じる事が出来るようになり、少しづつ五感が私のもとに戻って来た。

    ・・・空の青さが戻ってきた。

しかし、心の中ではまだ少し仮想の空間は保たれている。

自分の心を守るために!

   

 一人で、こんなに長い間、生活した事は生まれてから今までに無かった経験だ。

それでも、寂しさで逃げ出す事も無く こうしてやってこれたのは、

仮想空間の存在を無意識のうちに認めて、その中に身を置いていたからなのだと思う。

仮想の空間に守られていたのだろう。

   

求めなくとも、いずれ、私のすべてが現実の中に入れる時がくる。

仮想空間の中で生きようが、現実の中で生きようが、他人からみれば、

すべては私の生きざまであり、私なんだけど、

この 「一枚の薄い壁」 が私にとって大きな存在であり、大きな意味を持っていたんだ。

« 無条件で楽しかったよ! | トップページ | 私の中では彼方はいつも温かい »

死別後の心の動き」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533735/48372195

この記事へのトラックバック一覧です: 仮想空間の中で:

« 無条件で楽しかったよ! | トップページ | 私の中では彼方はいつも温かい »

2015年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ