« 車の中は演奏会 | トップページ | どう整理していったらいいのだろう? »

2009年5月21日 (木)

古びた絵本と昆虫図鑑

夫の実家を亡き夫の兄弟が見る事になったので、

いろいろ片付ける為に、最後に実家にいった時、

実家にあった亡き夫の本棚から面白いものを見つけた。

本棚の一部が前後に本を入れるようになっていた。その奥に入っていたのだ。

  

 古い絵本十数冊、昆虫図鑑・小学校の理科の教科書。

こんな物が取ってあるなんて夫はたぶん知らなかったと思う。私は一度も聞いた事が

ない。夫の両親の死後、夫と通った実家だが、簡単な部屋の掃除と庭の手入れ、

畑の草刈や木々の手入れに追われて、あまり細かい所まで片付けが出来なく、

目に触れなかったのだ。

きっと亡き夫の亡き母が大事にしまって置いたのだろう。

  

 絵本はもう50年ぐらい前の物。表紙のカラーもセピア色に変わっている。

でも十数冊どれも、とってもきれいな状態で残っていて、

「なんでも鑑定団」に出してみたくなるくらいの物だ。

 当時の絵はとても凝っていて、何か絵画的な印象を感じるようなタッチで、

色彩も今の物とは違うのでなかなかおもしろい。

・・・

<この絵本を幼き頃の夫は母に読んでもらい、育ったんだ>

と思うと 何とも愛おしい気持ちになる。

この絵本を大切に残していた母の愛の深さを知る。私はこんなに大事に大切に

育てられた夫を早くに送ることになってしまい、

夫の亡き母に申し訳ないという思いでいっぱいになった。

        

 子供の頃、虫が大好きで暗くなるまで昆虫を追っかけていた話を

夫から何度か聞いた事があった。そんな子供時代を送った夫は 

昆虫の名前をいろいろ知っていた。

 蝶々を見れば、”これは○〇ちょうだよ!”とか

庭先に来た、トンボを見て、”あっ、〇〇トンボだ!”

などと、私の知らない虫の名前をスルっと口にする。

亡き母の残したこの昆虫図鑑に、私はその答えを見た。

     当時の夫は、この本を食い入るように見ていたのだろう。

     ・・・本を抱え、夢中に読みふける幼き姿の夫が目に浮かぶ。

この本は 我が子を思う母の宝物でもあったのだろう。

 そんな時代は私は知らない世界だけど、夫はこうして

生まれ育ってきたのかとこれらの本からいろいろ知ることが出来たような気がした。

        

 亡くなった人の物を整理していくことは、

その人がどんな人生を送ったのかを教えてくれ、その人の存在を見つめ直す事になる。

知らなかった夫の事を知り、亡き夫がより身近に感じられるように思えるが、

今の私には切なくもある。

<見たくもあり、見たくなし>というのが正直なところかもしれない。

  

 でもやっぱり、この絵本と図鑑は風を通してから、

我が家の本棚に引っ越しし、またしばらく、大事にしまって置くことになりそうだ。

取って置いても、しょうがないのかもしれないけど!

« 車の中は演奏会 | トップページ | どう整理していったらいいのだろう? »

夫の思い出」カテゴリの記事

コメント

古い絵本が語りかけてくれたんですね。辛いかもしれないけれど、すてきな文章に、こちらも心が和みました。

YUKAKOさんにも、見て頂きたいぐらいです。
ピーターとおおかみとかピノキオ・三匹のこぶた・ジャックと豆の木・安寿と逗子王丸・イエス様など他いろいろ。
表紙を見るだけでも、昭和にタイムスリップしてしまいます。
義姉はこの本を見て、
”私、これ読んだわ!これも!”などと、
とっても感激してました。
夫の生家はキリスト教会の隣にあったので
イエス様の絵本があったんだと思います。
絵本を手にしている自分は
気が付けば、少し微笑んでいました。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533735/44987103

この記事へのトラックバック一覧です: 古びた絵本と昆虫図鑑:

« 車の中は演奏会 | トップページ | どう整理していったらいいのだろう? »

2015年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ